
5年から10年近くぶりに、昔の患者さんが小児歯科ふじわら歯科に帰ってきてくださるのです。
なかには、子どもの頃に通ってくれていた方がお父さん・お母さんになり、ご自分のお子さんを連れて、遠くから来てくださることもあります。本当にありがたいことです。
カルテに残る、小さな走り書き
正直に言いますと、何年も経っていますから、久しぶりにお会いしてすぐに昔の面影を思い出せるとは限りません。
そんなとき、昔のカルテを開いてみます。
そこには、当時の私やスタッフが書き残した走り書きがたくさんあります。
- 「この前、家族でお出かけした」
- 「今度の遠足はどこそこへ行く」
- 「好きなアニメは○○で、その中のだれだれが好き」
- 「好きな色は○色」
- 「おじいちゃん、おばあちゃんにランドセルを買ってもらった」「それは何色」
- 「もうすぐ運動会。練習がしんどい」
- 「生活発表会が近づいて、ちょっと緊張している」
どれも歯のこととは直接関係のない、診療の合間に子どもたちと交わした何気ない会話のメモです。
思い出せなくても、込み上げてくる懐かしさ
メモを読んだからといって、すべてを鮮明に思い出せるわけではありません。
「ああ、あの子や! 思い出した!」と、いつもなるわけでもないのです。
それでも不思議なもので、すっかり大きくなったその方を前にすると、なぜか懐かしさが込み上げてきます。
あの頃、小さな体で一生懸命頑張っていた子どもたち。
歯医者が怖くて泣いていた子も、緊張しながら勇気を出して診療台に座ってくれた子もいたでしょう。
ほんとうに健気な子どもたちでした。
そんな子どもたちが大きくなって、今度は自分の子どもの手を引いて帰ってきてくれる。
こんなに嬉しいことがあるでしょうか。
歯医者さんでの時間を、いい思い出に

そんな思いで診療を続けてきました。
もちろん、思い通りにいかないこともたくさんありました。それでも、何年も経ってから帰ってきてくださる患者さんに出会うと、この仕事を続けてきて本当によかったなぁと思います。
泣いてもいい。怖がってもいい。嫌がってもいいんだよ。
焦らず、急がず、急がせず。
その子のペースで、少しずつできることを増やしていけばいい。
また新しいお付き合いが始まります

その子は、どんな色が好きなのかな。
どんな遊びが好きなのかな。
今日はどんなお話をしてくれるのかな。
そんなことを楽しみにしながら、これからも子どもたち一人ひとりと向き合っていきます。
何年経っても、また帰ってきたくなる歯医者さん。
そんなふじわら歯科であり続けたいと思っています。
小児歯科ふじわら歯科
院長 藤原成樹

